映画”TITANIC ”

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実は張りぼてのタイタニックは現地の風向きの関係で右側を陸側にして建造されました。

(煙突や旗が進行方向の逆に流れるのを防ぐため)

ところが史実では出港時タイタニックは左舷から接岸していたのです。

忠実に再現するため左右逆に撮影を行っています。

文字などもすべて逆にかかれています。出演人物の服装・髪型も全て逆にセットされました。
船員さんの帽子の文字も
”TITANIC"ではなく
"CINATIT"と刺繍されたモノを使用しています。

 


まず監督は CGを使用してタイタニックがいかにして沈没したかを観客に説明します。このシーンがあるおかげで 映画の冒頭の段階で観客は映画全体の流れを知ることができます。

 


海底に衝突する船首部

 


船首部の後半は 自らの作り出した乱流とそれ自身の重みでへし曲げられます。

 

4月10日12:00pm サウサンプトンから出港するシーンです。

大きな船はこの様にタグボートで牽引して動かします。自走し始めるのは岸壁からかなり離れて港の外に船首が向いてからです。

個人的にはこの辺のシーンが好きですね。ただ20ノットで疾走する船の上でティーカップの紅茶を飲むのは至難の業で無茶な設定です。

同様に船首で仁王立ちになって手を離して2人でキスをするというのも自殺行為です。

またあの辺の甲板は立ち入り禁止のはずです。具体的には階段がそこに見えますが そこから先は一般の乗客は立ち入り禁止のはずです。

メキシコの特設スタジオに建設中のタイタニックのセット

(現在はもちろん解体されています)


上の写真より もう少し建設が進んだ写真



タイタニックの為に作られたと言って良い(?)FOX STUDIO BAJA
注目は広大なスペース中央に位置する巨大なプールです.(タンク1)
撮影用タイタニックは ここに建造されました.


巨大プールは満水にすると 低い視線からは背景の太平洋と一体化して見えます.

Tommorow never diesとかPearl Harbor Deep Blue Sea Weight of WaterなどもFOX STUDIO BAJAで撮影されました.敷地面積は35エーカー(142268平方メートル)で 東京ドーム3つ分の広さです.


 


場所は アメリカ−メキシコ国境より南へ30分ほどのサンディエゴの近くに位置していてます.


ステージ2外観


ステージ2にあるタンク2では タイタニックのホール等が水没するシーンが撮影されました.

 

タンク2のプールの中にセットを作り 水を流し込むという手技で撮影されました。このような撮影ではセットが水圧で破壊されることが多いのでジェームズ・キャメロン 曰く”普通の20倍の強度でないとダメなんだ”だそうです。また撮影機材も防水処理を施さないとならなかったため非常に手が掛かったようです。

このときの撮影中に大階段が水圧で崩れ落ちると言った事故がありましたが幸いけが人などはなかったそうです。

注水する量はあらかじめ計算され撮影スタッフが居るところまでで水面の上昇が止まるようにされていました。実際の撮影では思ったより水面が上昇し撮影スタッフがおぼれる寸前だったそうです。

 


内部の豪華な装飾品も資料を基に 忠実に再現されました.


映画の冒頭で 潜水艇が海底のタイタニックの中に入るシーンでは 1/1のタイタニック(海底?バージョン)がステージ2のタンクに設営され これを沈めて撮影されました.もちろん実際に
大西洋に沈んでいるタイタニックの映像も使用されています


注水中

 

このシーンは ステージ4という建物のタンク4で撮影されました。

化粧がすぐに落ちるので凍死した感じを出すのが大変だったそうです。


メイク中


監督も水に入って演技指導


ステージ4の外観

ステージ4には タンク4とタンク5の2つがあります.

 

左のシーンの撮影風景です。スクリュー等はなく甲板しかありません。出演者は滑らないようにゴムを貼った靴を履いています。緑のマットは合成をスムーズに行うためのモノです。

Roseの飛び降り自殺未遂の時の撮影にも使用されています。

この実物大の船尾は油圧ジャッキで水平の状態から急速に直立させることが出来ました。船尾部分が海に沈むシーンはデジタル合成です。

このシーンは実物大の船尾を直立させて撮影されました。もちろん海はCGとの合成です。ついでにスクリューなどの甲板以外もところも模型との合成です。

ぶら下がっている人物は実写ですが 落下して手すり等にぶつかっている人々は光センサーを使用したmosion captureによるCGです。


タンク3 撮影中


これらの一連の船尾での撮影は 屋外に設置されたタンク3で撮影されました.

 


これもタンク3での撮影です

 

もっとも大きい模型です。煙突までの高さは2メートルを超えます。CGの撮影に大活躍しました。

 


この模型の制作スタッフ  中央が監督のキャメロン氏


模型とCGを使ったシーンです。監督は”どの人物が実写でどれがCGか判るか?”と尋ねたそうです。
答えは”全部 CGだ”  それを聞いて誰もが驚いたそうです。motion captureの技術のなせる業です


史実の通り 偽物の4本目の煙突からは黒煙が出ていません。

このシーンでカモメが小さすぎると監督からクレームがあり 作り直す直さないでトラブルになったそうです。

 

2

船首が海没するシーン

撮影風景

 

 

このシーンは張りぼてのタイタニックの甲板部分だけをプールに沈めるという大胆な方法で撮影されました。ほかのCGのシーンと比較して水の迫力が違うでしょ?

このシーンは何度も撮影がやり直されスタッフと監督が怒鳴り合いの喧嘩になったそうです。

撮影が終了すると水中に沈んだ船体のセットが油圧ジャッキで浮上してくるそうです。その濡れた甲板をメキシコ人のスタッフがガスバーナーであぶって乾かしてから再度撮影を繰り返すと言った事をしたそうです。服も乾燥させます。

 

このシーンも模型とCGを使用しています。人物はすべてCGです。映画では この様な状態になっても(セリフやシーンの関係で)なかなか沈みませんでしたが 実際の沈没では かなり速かったようです。

これも屋外のタンク3での撮影です.

このシーンは張りぼてタイタニックを油圧ジャッキで前下がりにして(この作業は大変)撮影しました。タイタニックが2つに裂けるシーンは模型を使用して繰り返し撮影されました。船の上の人間はCG です。自分の顔や息子の顔をCGに張り付けたそうです。

実際はTITANICは前後だけでなく左右にも傾いて沈んでいったそうです。ただそれをこのセットで実現するのは費用の面で無理でした。



タンク1に建設された張
りぼてタイタニックは油圧ジャッキで6度傾斜できました。

このシーンの撮影中に 住民から警察に通報があったそうです。

なんだか知らないが 豪華な船が沈みかかってる・・・・という通報だったそうです。

6度以上の傾斜のシーンは 船尾部だけの実物大模型と1/20の模型を使用されて撮影されました。


こんな感じで 油圧ジャッキで傾けることが出来ます。



テントに
保管されているパーツ

 

バキンと割れるように船体が裂けていますが 実際には引きちぎれるようにして船体が裂けたみたいです。

裂ける際には 付近のデッキは両側から引っ張られて 上下にぺしゃんこに潰れたようです。

 


巨大な蒸気エンジンが動くシーンですが これはアメリカ西海岸で現在でも保存されているリバティ船(戦時中に建造した急造の量産輸送船)の蒸気エンジンを撮影に使用しました。 この リバティ船の蒸気エンジンはサイズ的にはタイタニックの1/3の大きさだったそうです。

リバティ船のエンジンは1基だったのでCGを使用してエンジンが2基並んでいるように加工されています。まだリバティ船のエンジンのサイズがタイタニックにしては小さかったみたいで エンジンの側で走り回ったりのぞき込んだりしている船員は実写が使用できず すべてCGになっています。

クランクシャフトなどが動くシーンは 模型を制作して撮影されました。

タイタニックは御存知の通り何度か映画として取り上げられていますが機関室が画面に登場するのは初めてです。(ほんの3秒くらいのシーンは過去にもありましたが..)

 


タイタニックのレプシロエンジンルームはその後部にタービンエンジン室があるため 前後方向には極めて余裕の無い設計でした。このシーンのような レプシロエンジンを後部から眺める・・・スペースはありませんでした。

 


エンジンの巨大さを際立たせる為に CGで描きこまれた機関士たち

 


蒸気エンジンなので 蒸気は売るほどあります。機関士たちは余熱を使ってお茶を沸かしたりしていたようです。
左前に見える丸い計器はブリッジにつながっています。船のアクセルのようなものです。
この指示に従って機関士たちは出力を調整します。

 


氷山との衝突を回避する為に出力調整中。
映画のようにレプシロエンジンはリバース(逆回転)が可能です。
他に電気推進船(砕氷船など)も逆回転可能ですが、タービン機関は逆回転が出来ませんので 
自動車のようにギアボックスを介して後進を行います。
そのほかにスクリューのプロペラの羽根の角度を変えて後進する船もあります。

ところで この機関長?が操作しているのは ボイラー室からの蒸気管だと思いますが そうだとしたら場所が変です。蒸気管の弁はレプシロエンジンとボイラー室の間に位置しますので、レプシロエンジンルームの前の方に位置するはずです。スクリュー軸の近くというのは可笑しいですね。

 


ボイラー室

ボイラー室は実際にセットを組んで撮影しました。”乗客(デュカブリオら)がボイラー室を走り回るわけがない”とスタッフからも疑問の声があり 一連の機関室のシーンについて、時間と費用を割いて撮影する意義があるかどうかについて議論がありましたが ジェームズ・キャメロン 監督は あえて機関室の撮影を押し進めています。(監督の好みでもあります)


ボイラー室のセット

このボイラー室でも 氷山の衝突を避ける一連の流れで 工夫たちが石炭の投入口をバタバタを締めるシーンがありますが これは全く意味の無いことです。ボイラー室で特に何も操作することは無いはずです。エンジンと緊急停止させる場合は 行き場の無くなった高圧蒸気を煙突周囲の放出孔から逃がす操作が必要になりますが タイタニックは 全速前進→エンジン停止→直ちに全速後進 というパターンで エンジン停止時間は短くそこまでの操作は不要だったと思います。

 


蒸気エンジンのクランクシャフト こういった場面でも クランクシャフトの陰に機関士を描きこむことで エンジンの巨大さを表現しています。

 


タイタニックのスクリュー  こういった表現もジェームズ・キャメロン 監督ならではです。

 

 

 


この映画のひとつのハイライト

ですが・・・ こういったことは 現実では不可能です。
船首部分は 猛烈な風が当たりますし、そもそも立ち入り禁止区域です。
撮影中も そういった意見がスタッフから出ましたが、監督は いや 私は子供のときに行ったことがある といったそうです。



↑の有名なシーンの撮影は、左の写真のとおりで背景はもちろん、タイタニックや海も含めて 出演者以外は全部CGです。
 


衝突直前の氷山

氷山の形については諸説ありますが この映画では台形の氷山を採用しています。

 


1/1スケールの模型  というかセットならではのシーン、当然実写です。勿論海では危険ですのでタンク1で撮影されました。

 


海没するブリッジ付近

 


CGでは ここまでの表現は無理でしょう。

 


一連の主演者の動きは 打ち合わせがあったか それともアドリブか・・・監督は”それは秘密・・・・”とだけ答えています。
実際 ブリッジの天井に固定されていた ボートを下ろす作業は打ち合わせがあったでしょうが それ以外はおそらくアドリブだと思います。

甲板乗員を演ずる俳優は救命ボートの操作に熟達する必要がありました。


このボート 結構大きいです


ボートの中は こんな感じ

 


本物のタイタニックと同様に 精巧に作られた階段や柱の彫刻

これらを全部海水につけてしまうことに 製作したスタッフは複雑な気持ちを抱かざる得ませんでした。タンク2での撮影です.

 


船長がブリッジで最期を迎えるシーンは ジェームズ・キャメロン 監督自ら潜水具をつけて撮影しました。船長はスタントマンです。撮影直後にキャメローン監督は水に吹っ飛ばされて壁に叩きつけられ 酷い目にあったと語っています。

 


前部が海没して その重みで後部は次第に持ち上げられます。海中から姿を現す巨大な3基のスクリュー、それを呆然と見つめるボートの上の乗客、印象的なシーンです。

1/20の模型と ブールでの実写(ボートとおぼれている人)の合成です。

 


これも凄いシーンですが 模型を使用して撮影したようです。煙突はCGでしょう。


この部分は1/1のセットによる実写です。ただし左下に少しだけ見える舵の部分はCGです。

 


落下する人々はmotion captureで製作したCGです。

 


個人的には興味は無いのですが この映画の主人公たちです。
ケイト・ウィンスレット(ローズ・デウィット・ブカター役)

 


レオナルド・ディカプリオ(ジャック・ドーソン役)


記念切手も発行されました

 

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以下は おまけコーナーです.映画タイタニックのイメージを壊したくない人は 見ないでください.

 


ローズの婚約相手のキャル・ホックリーを演じるビリー・ゼーンは 「メンフィス・ベル」、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にも出演しています。

珍しいところでは 2人の子供と共にタイタニックに残り 子供をあやしながら最期を迎えた母親役の方は(名前不明) ターミネーター2でジョンの養母役で出演しています。


 

親指タイタニック
 (原題:THUMBTANIC)




ジャンル:コメディ

監督:スティーブ・オーデカーク

出演:スティーブ・オーデカーク/メリー・ジョー・キーナン/ポール・グリーンバーグ/ロブ・ポールソン/トニー・ペイル /マーク・デカルロ

製作:ポール・マーシャル
脚本:スティーブ・オーデカーク
撮影:マイク・デプレッツ
美術:ジョーグ・ダービン
配給:K2エンタテインメント

1999年/アメリカ/26分/カラー/ヨーロピアンヴィスタ/ドルビーステレオ

あらすじ

ある日、親指大西洋の海底に沈む、かつての豪華客船サムタニック号の船内から全裸の女性の肖像画が発見される。世紀の大発見として、テレビで放映されたニュースを見た老婦人からテレビ局に電話が入る。「あの絵のモデルは私よ・・・」駆けつけたテレビ・レポーターが、その老婦人ゼラニュームから聞き出したのは、今まで語られたことのない脅威の物語だった・・。

 

完全にタイタニックのパロディー映画.出演者(?)は 親指のみ. 親指にCGで顔を書いて映画にしています, この親指映画は 他にもシリーズがあり お暇な方はご覧ください.

 


こんなパロディーも社会現象になりましたね