BOINCでの分散コンピューティング

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BOINCの導入 プロジェクトの参加 各CPUのスコア
FAQ    

BOINCとは


BOINC はボランティア・コンピューティング とデスクトップ・グリッド・コンピューティングのためのフリーな、オープンソース・ソフトウェアです。観測データを分析するには膨大な処理能力を有するコンピューターが必要であるため、インターネット接続された複数のパソコンに観測データの解析を一部分ずつ分散することで、スーパーコンピューター並の処理能力を実現しようというのが狙いで、BOINCはそのためのクライアントソフトです。

BONICと間違って覚える方も多いですが、BOINCです。
ネットで”BONIC”を検索すると結構ヒットします。間違えやすいですよね。私も過去間違えていました。

簡単に言ってしまうと、あなたの余ったPCの処理能力で、色々な計算をやってくれませんか?というボランティアの募集です。

基本的にバックブランドで動作しますので、普段は意識することはありません。セキュリティーなど、安全性の面でも問題ないと思います。

これを用いたプロジェクトには色々ありますが、日本では地球外知的生命体を探し出すプロジェクト“SETI@home”だけが、やたら有名です。

サーバーがメンテナンスやトラブルで落ちることがありますので、1つだけのプロジェクトではなく、2種類くらいのプロジェクトを併走させた方が、PC資産を活かすことが出来ます。重い処理のプロジェクト+軽い処理のプロジェクトという組み合わせが良いと思います。

HT対応のCPUや、DUALコア、Multi-CPUのPCでは、同時に複数のプロジェクトを実行できます。またBOINCの動作設定をWEB経由で設定することも可能で、各プロジェクトの比重や使用するCPUの数も設定できます。

ノートパソコンでも参加できますが、熱負荷が強くなるので、推奨されていません。アドインのアプリで100%のCPU負荷にならないように設定することも可能ですので、それを利用されると良いでしょう。AMDのduronやK6、INTELのPentiumVといった過去の遺物のPCであっても、参加できるプロジェクトは存在しますので、眠っているPC資産を活用されると良いでしょう。

付随機能としてスクリーンセイバーがあるプロジェクトがありますが、スクリーンセイバーを表示させるとPCの処理能力が落ちますので、一通り機能を楽しんだ後は、スクリーンセイバーをOFFにされた方が良かろうかと思います。

Berkeley Open Infrastructure for Network Computing (BOINC:英語)
http://boinc.oocp.org/indexj.php(日本語訳)

 

BOINCでの気象シミレーションについて


人類に差し迫った危機として私は地球温暖化に強い興味を持っています。これまでの解析結果はBBC NEWS や Nature で発表され、今後の地球環境対策に貴重なデーターを提供しています。BOINCのプロジェクトの中では、一番現実的で役立つ分野と、私は思っています。2006年現在この分野のBOINCプロジェクトは3つ公開されていますが、いずれも処理の重い部類になります。

ただ残念なことに日本からの参加者は少数です。例えばClimateprediction.netでは、2006年11月現在、日本はベスト10にも出てきません。(1位アメリカ、2位イギリス、3位ドイツ、4位カナダ、5位フランス、6位チェコ共和国、7位オーストラリア、8位ポーランド、9位スペイン、10位イタリア、11位スウェーデン;PC接続台数。日本は10位のイタリアの半分の814台のみ、うち11台は私のPCです)

 

気象シミレーションのBOINCプロジェクト

Climateprediction.net project
Climateprediction.netは、気候予測をBOINCを使用して行うプロジェクトです。 1950年から2050年までの気候をシミュレートします。既にさまざまな注目に値する結果が出ており、世間の関心を集めています。日本でも国家プロジェクトとして、地球シミュレーターという大規模スーパーコンピューターを使用して、同様の気象予測をしているようですが、それを上回る処理能力をBOINCを利用することで実現しています。

非常に解析時間が長いのが欠点です。アスロン64×2 4200のマシンでも1つのデーター解析が終了するに2500時間以上必要です。24時間連続動作させても3〜4ヶ月かかることになります。低スペックのマシンや1日数時間しか稼動させないマシンでは、1年経過しても処理が終了しないことになります。そのため、クライアントエラーなどでせっかく計算してきた処理を放棄することが多いのです。勿論計算が完了しなくても、その結果は途中で随時サーバーに送られていますので、無駄にはなりません。

必要とされるマシンスペックはCPUはペンティアム4程度、メモリは512MB必要ですが、上記のように数ヶ月〜年単位で安定した動作のPCが望まれます。オーバークロックしたり、特殊な用途のPCは止めておいたほうが良いでしょう。クロックスピードよりもキャッシュの容量が大きい方が効果的です。

同じクロックスピードのペンティアム4でも、キャッシュサイズが512kと1Mでは、露骨に処理速度が違います。基本的にセレロンなどは適していないプロジェクトで、1コアあたりのキャッシュサイズは出来るだけ大きなCPUを選択してください。

スクリーンセーバーは3Dを使用した結構動作の重いもので、ビジネスモデルなどの貧弱なグラフィック機能のPCには荷が重いでしょう。色々多機能なセーバーなので暫くは遊べると思います。気温、気圧、降雨量などを表示することが出来ます。地球の回転を止めたり、逆回転にしたり、雲の表示を消したりと機能が豊富です。

climateprediction.net project

 

Seasonal Attribution Project (終了)
オックスフォード大学が管轄しているプロジェクトです。climateprediction.netが地球全体的な変化について解析しているのに対して、これは局地的な気象変動について解析しているようです。人間の生活活動(主に放熱や二酸化炭素の排出)と、局地的な豪雨などの関係を検討しています。

表示されるスクリーンセーバーなどは、ほぼclimateprediction.net projectと似ていますが、一部機能は無いようです。

climateprediction.net projectと比較すると短い時間で計算が終了するようです。(しかしそれでもアスロン64×2 4200で、約300時間必要。)

欠点はメモリ消費量が異常に多く、512MBの搭載PCでは運用に支障があることです。公式WEBにもThis project has fairly high computing requirements, including 1GB RAM: if your computer does not meet these, we suggest you try one of the main climateprediction.net experiments. と記載されており、1GB以上のメモリの搭載が推奨されています。シンクルコアのPCなら1GBでも良いのですが、dualコアやHT(Hyper-Threading)で、同時に2つの処理をする場合は、1.25から1.5GBのメモリを搭載していないと、ハードディスクに頻繁にアクセスが発生し、もはやバックグラウンド動作とは呼べない状態になります。そこまでメモリに余裕が無い方は、もう一つ別のプロジェクトに同時参加して、同時に2つのSeasonal Attribution Projectが実行されないようにされると良いと思います。目安として1つの処理で150-450MBのRAMを占有してしまいます。クアッドコアのマシンで同時に4つのSeasonal Attribution Projectを実行する場合は、<450×4+OSやその他アプリに必要なRAM>ということになります。

それなりに恵まれたPCパワーを持っている方にだけ薦めれるるプロジェクトです。CPUは4週間以内に処理を終了した場合は、Pentium 4, 2.4GHz以上の、3週間以内に処理を終了したい場合は、Pentium 4 3.0GHz 以上を使用してくださいということです。

処理が重いだけあって、計算完了後には全部で30MBくらいのファイルをサーバーにアップロードします。
※ 2006年10月末で全てのWUがダウンロードされ、新規のWUがなくなりました。プロジェクトはまもなく目的を達成して終了するようです。今後はClimateprediction.netの方を宜しくお願いしますということでした。

Seasonal Attribution Project

BBC Climate Change Experiment(新規募集停止中)
英国の放送局BBCとオックスフォード大学との共同研究。基本的なことはclimateprediction.netと同じです。解析結果は論文化されたり、BBCの放送で、放映されたり、BBCの公式WEBに掲載されたりします。低俗な番組や洗脳性のある番組ばかり放送している日本のマスコミにも見習って欲しいものです。

WEBから専用のクライアントソフトをダウンロードして解析を行います。専用のアプリといってもアイコンなどが一部異なるだけで、実質的に通常のboincクライアントソフトとの違いは私にはわかりません。実際このアプリでSeasonal Attribution ProjectやSETI@HOMEなども走らせることが出来ます。また通常のboincクライアントソフトでも問題なくBBC Climate Change Experiment の解析が出来ます。boincを既にインストールしていても、上書きインストールが可能ですが、全てのプロジェクトの結果がリセットされてしまいますので、この専用クライアントソフトは使用しない方が良いでしょう。


必要とされるマシンスペックはclimateprediction.net projectと同じです。使用メモリ量も100MB以下です。必要な解析時間も、ほぼ同じで、長時間の解析が必要です。解析内容はclimateprediction.net projectと同じなのかもしれません。climateprediction.netと同時に参加するメリットは無いので、どちらか一方でよろしいかと思います。

BBC Climate Change Experiment

 

気象予測以外のBOINCプロジェクト

TANPAKU
日本産のプロジェクトとして、TANPAKUにも参加しています。TANPAKUは,「タンパク質の立体構造予測」という問題に,「分散コンピューティング」という手法を応用しようとするプロジェクトで、東京理科大学の基礎工学部生物工学科の山登研究室と,理工学部情報科学科の武田研究室が共同で開発を行っており、ブラウン運動を利用したシミュレーションをします。こういった生化学的なプロジェクトは他にもいくつかありますが、いずれも研究内容としては基礎的な分野のものです。

一つの計算モデルの処理時間は短く、一度に4つくらいの計算モデルがダウンロードされます。残念ながらスクリーンセーバー機能はありません。

メモリ消費量が少なく、PCへの負荷も軽く、短い時間で処理が終了するので、非力なPCや使用時間の短いPC向けのプロジェクトです。


http://issofty17.is.noda.tus.ac.jp/

 

Rosetta@home
これも TANPAKUと同じ系統のプロジェクトですが、より世界的に有名で参加者も多いようです。中心になっているのはワシントン大学です。TANPAKUよりも処理が重く、処理時間はアスロン64×2 4200で2-3時間というところです。解析中の蛋白質の構造がリアルタイムで見ることが出来るスクリーンセイバーがあります。メモリは100MB以上消費しますので、注意が必要です。公式WEBでは、クロック数500MHz以上、搭載メモリ256MB以上となっていますが、個人的には、それではちょっときついかなと思います。

ただこのプロジェクトは、かなり細かくPCの処理能力に応じたWUの振り分けをしているようで、高速なPCと低速なPCとで、あまり処理時間が変わりません。勿論与えられるクレジット値は異なりますが、おおむねどのPCでも3時間程度で計算が終了するようです。(2006年12月現在)


スクリーンセイバーは、蛋白質の3次元構造が、組んずほくれずしているのを見ることが出来ます。

 

SETI@home
もう説明不要かもしれませんが、BOINCが導入される以前より、専用アプリ(SETI-Classic)で分散コンピューティングをしていた、最も歴史が古く、最も参加者が多いであろうプロジェクト。web上の日本語情報も一番多く、日本人のBOINC初心者にとって一番垣根が低いプロジェクトと言える。

宇宙から飛来する電波(大半は単なるノイズ)を分析して、宇宙人からのメッセージを探そうという、映画”コンタクト”(1997年公開)ばりの夢のある壮大なプロジェクト。一方で目的が壮大であるが故に、いまだになんら成果を挙げていないのが問題。仮にプロジェクトが成功し地球外知的生命を発見できても、そこを人類が訪れることは出来ませんし、交信用の電波を発射しても、その返事が到着する頃には人類は滅亡しているでしょう。単なる電力と半導体資源の無駄という指摘もあり、目的意識を持ってBOINCに参加される方にはお勧めしない方が良いかも・・・・。

昔は1つのデーターの解析に1ヶ月以上かかったが、現在ではPCが高速になったおかげで、数時間で終了するようになった。スクリーンセイバーも綺麗。マイクロソフトがAMDを意識して勝手にコードを改造したバージョンを配布したりといろいろ逸話も多い。事実上、ベンチマーク代わりや、自分のPC資産の自慢といった目的で参加される方も多い。

デフォルトの解析コアソフトはSSEやSSE2などを使用しない設定になっています。色々な最適化バージョンが有志によって発表されており、それを使用することによって20-50%の高速化が出来ます。

よくSETIのサーバーが落ちて通信不能になります。通信不能になっても、そのうち回復しますので気長に待ってください。SETI単独ではなく、もう一つ他のBOINCプロジェクトを併用されることをお奨めします。

目的故に公的な資金援助が乏しく、参加者が一番多いにも関わらず、資金難のようです。日本からでも募金が出来るので、賛同される方はWEBの該当箇所を読んでみてください。寄付をされると自分のIDに☆マークが表示されるようになります。同じ宇宙探索系として、Einstein@home がありますが、こちらは公的資金援助を受けています。

※映画コンタクト; 電波天文学者のエリー(ジョディ・フォスター)は、砂漠の電波天文台で観測中に、恒星ヴェガ付近から地球に向けて電波信号が発せられているのに気づく。彼女は物心ついた時から常に、「なぜ私たちはここにいるのか。私たちは何者なのか」という疑問の答えを求めていた。最愛の父テッド(デイヴィッド・モース)が亡くなった後、エリーは科学に没頭する。彼女は地球外生命体からのメッセージの探究をテーマに選び、大多数の科学者からの嘲笑や成功の確率の圧倒的な低さにも関わらず、何年も宇宙からの電波の観測を続けていた。そして、とうとうメッセージは届いた。エリーが送られてくる電波信号を数字に変換すると、どこまでも続く素数の羅列になった。これは、素数を理解するまでの水準に達した生物の住む惑星を探すため、何らかの知的存在が発したメッセージに違いない。信号は単に素数を表しているだけでなく、複数の読み取り方ができることがわかった。さらに世界中の国々が協力して解読を進めるうちに、驚くべき事実が判明。


goo映画より一部引用
SETIをされる方は一度は見た方がよい映画です



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