
吸い出したが、若干歪が残った。

バックキャビティと中の吸音材

トッププレートを外した。
振動板の内側にもグラスウールが詰めてある。

ボビンはFRP製で、空気穴があけられている。
テスターで調査すると、ボイルコイル本体で断線しているようだ。さあいよいよ深刻であるが、ボイルコイル自体には激しい損傷はないのが不幸中の幸い。

怪しいところ その1
緑青(銅の錆)がありました。腐食しているようです。

怪しいところ その2
コイルの一部が変形しています。亀裂が入って断線しているかもしれませんが、肉眼的には判断不可。コイルは3巻き分が変形しており、2巻き目が一番強く変形しています。ここが断線していると修理は困難です。

まず<怪しいところ その1>をカッターナイフの先で擦ると、ボロボロとコイルが脱落しました。やはり腐蝕が著しいようです。断線箇所はここですね。

腐食した部分を除去して、少しコイルを解きます。そして先端をヤスリで研磨して、表面のエナメルを除去してハンダ付けをします。絶縁テープでショート防止をして組み立てます。

無事に音が出ました。大成功!

キャビネットの内部補強は、原則的にNS-670と同じ。
ただしスピーカー端子がスコーカー裏に移動し、ウーハー裏にウーハーの抜き穴が貼られている点が違う。針葉樹系の高密度パーチボードが使用されている。バッフルと背面は25ミリ、側面と天地は20ミリ厚である。

吸音材のグラスウールは赤く変色しており、パーチボードの破片や錆、カビと思われるものが散乱している。吸音材は捨ててしまいたいというのが正直なところ。

固着しているウーハー
エッジの素材は純正ではない。交換してあるのは良いが、取り付け不良である。エッジに皺があるのが判るだろうか?

予想どおり、磁気回路は腐っている。
品番はJA-3060
マグネットのサイズは直径152×20mm
振動板の材質はNS-690(初代)やNS-670と違い、NS-600に近い印象だ。元々NS-1000Mのウーハーをソフトドームに合うように、小変更を行った製品らしい。ピュアスプールス振動板ではないが、スプールス材の木材繊維を使用したコルゲーション入り振動板を使用している。スプールス材というのは、グランドピアノに使用する高級木材です。

汚い・・・

マイナスドライバーでこじって、隙間にスクレーバーを挿入。

さらにハサミを挿入。ボイルコイルを傷つけないように注意が必要。

外れた。
酷く錆びている。白い物体はカビだろう。 湿気があった。

あー汚い。 プレート部分です。クリーム色のものは硬化した接着剤です。

マグネットには、接着剤は残らないが、白いカビがベットリ残る。ふき取ればすぐに綺麗になる。

ヨーク部分。センターポールには磁気歪の発生を低減する銅キャップを被せて、3次高調波歪を低減している。

何やってるの〜〜と子供たちが集まってきた。

マグネットはすぐに綺麗になった。一応サンダーで研磨した。

これからが大変・・・・。
スクレーバーで硬化した接着剤を剥離します。 マイナスドライバーと金槌を使って、ノミの要領で削ってもOKです。
念のため 動作している方のウーハーも確認してみると、これもサビサビで最悪な状態。
音が出ているが、一緒に分解することにした。

センターポールも脱落しましたので、あわせて清掃しておきます。

マグネット接着中

センターポール接着中。
新聞紙に包んであるのは、鉛のインゴットで1個5キロ。
センターの穴にドリルの刃を挿入して、センター出しをして固定した。

センターポールの方は、綺麗に接着できた。
マグネットは失敗。片方が少しセンターからずれてしまった。
修正は不可能。重しを載せた後にズルズルと横に摺れたのだろう。実用にはなるとは思う。
今日はここまで・・・・・・・・・(1日目)
作業2日目
マグネットにセンターポール部分を接着する作業は難しい。
この一連の工程の中で山場である。そのまま単純にマグネットにセンターポール部分をはめ込んでも、真ん中に固定できない。磁力で引っ張られて偏芯してしまうのだ。もちろんその状態ではボイスコイルが挟み込まれて固着している。人間の力でどうにかなる程のものではないので、偏芯しないように強制的に中央部に固定する治具が必須である。

これを製作したが、強度不足で見事に失敗。ハンパな力ではないのだ。磁力でエポキシの接着剤がバリバリとはがれて、補強に使用した釘も曲がってしまった。

大失敗の冶具
そもそも、どちらの方向に押せば、固着が解除されるかが全然わからない。

結果的に片方のウーハーは固着したまま接着してしまった。
大失敗。もう片方も成功しそうにも無い。冶具そのものから再製作する必要があるので、どうやら修理を断念するしかないようだ。情けないレポートで恐縮です。
作業3日目
固着したまま接着したウーハーであるが、なんとかリカバーできた。マグネットとトップフレームの接着にエポキシではなく、ビニル樹脂系の接着剤を使用していたのが勝因(?)で、色々な工具を使用してマグネットを引き剥がすことに成功した。


さあ これをどうやって接合するかが問題。
要は磁気回路が組みあがると同時に、猛烈な磁場がスピーカー内部に発生して偏芯してしまうのである。トッププレート、マグネット、ヨーク このうち2つを組み合わせるのは容易である。しかし最期の1つを組み合わせる段階で偏芯してしまう。組み立て順序を変えても同じである。

センターキャップを外してみた。シンナーを塗ってみたが取れる気配なし。ゴム系かシリコン系の接着剤のようで、シンナーには溶解しないようだ。下から持ち上げてカッターナイフで綺麗に剥離できた。

センターキャップと同じ直径の筒を製作した。

これを組み合わせる。
厚紙でもクリアランスがギリギリである。もう少し厚みのあるプラスチック板でも筒を製作して試してみたが、この方法は実際に接着をしてみないとうまくクリアランスが確保できているかが判らない。つまり一発勝負。
接着してから筒を引き抜いて、振動板が動くかどうか・・・・いやそもそも筒が抜けないかもしれない。ボビンの厚みと筒の厚みを比較するなど色々検討して、結局 この方法も失敗する可能性が大と判断して断念した。

というわけで、入手しました。NS-1000Mのウーハー

品番は JA-3058A
このウーハーも、少しさびていますが、固着には至っていません。

金網は不要なので、除去します。綺麗に見えても金網を除去すると中は埃だらけです。NS-1000Mのウーハーには、塗布剤の違いによって、振動板の白いものと黒いものがあります。これは白い方のようです。

金網はこの写真のように、下の部分が広がっています。まずゴムを千枚どうしなどを使って、上手に取り外してから、金網を除去しましょう。

フレーム側には厚紙が残ります。これをマイナスドライバーで削り落とします。エッジを破らないように注意が必要。

除去終了。

振動板を塗装します。塗装に使用した薬剤は、合成樹脂+カーボンブラック+水の懸濁液
です。原液をかなり薄めて使用しました。5回ほど重ね塗りをします。左右を同時に、を比較しながら塗装しましょう。
※合成樹脂+カーボンブラック+水の懸濁液 歴史は以外に浅く、一般に販売が開始されたのは昭和30年になってから。主に初心者向けの塗料として、書道に使用される(笑)。
なんでそんなもので塗ってしまうか?といえば、耐水性のあるインクなどの場合は、どうしても成分中の樹脂の量が増えてしまい、その分振動板が硬化してしまうからである。

エッジも塗装します。金網を除去した跡は隙間が出来て目立ちますので、その部分も塗装します。
その後4畳半くらいの部屋に除湿機を3台持ち込んで、朝まで全開で運転させます。勿論部屋は密閉します。磁気回路内部に結露した水分を蒸発させ、腐食の進行を止めるためです。
キャビネットに取り付け。
ウーハーへの配線は、豆電球に継げるような細い配線なので。3.5スクエアのOFCコードに交換しておく。またネットワーク回路も極力プリント基板を通過しないように、配線を変更した。

試聴開始。
比較対照はNS-670
似たような音がするかと思ったら、結構音が違い、驚いた。
私の音のコメントはこちらを参照してください。