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YAMAHA DSP-100

2007年7月2日 更新

435W×70H×298D
重量 4.5キロ
S/N比 メイン120dB; エフェクト92dB

これは黒モデルですが、チタンシルバーもありました。

一体どういう機器かわからない方も多いと思うので時代の流れを説明します。いわゆるサラウンドプロセッサーです。サラウンドには今までも何度かブームがあり、最初はオープンリールのテープレコーダーによる4CHサラウンドだったかな?


オープンリールというのはこんなテープレコーダーですね。
もう実物を見たことがない方も多いのではないでしょうか?これには4CH録音できるモデルもあり、それによって4CHのオーディオを楽しむ方が居られました。もちろん4CHのソースは当時非常にレアで、一部のマニア中のマニアの世界でした。

また現在も一部に根強いファンがいる(?)マトリックス接続という非常に原始的なサラウンドもあります。これについてはほかに詳しいサイトがあると思うのでネットで検索してください。

サラウンドプロセッサーとしては、元々アナログ処理のものがありました。カラオケのエコーと同じような原理で音質的に芳しくなく、すぐに消えたと思います。ただ2006年現在でもこのアナログ式のサラウンドプロセッサーやAVアンプがオークションでも流通していますので、安さにつられて買わないように注意必要です。

さてYAMAHAは1986年に革新的なDSP-1を発売します。サラウンドプロセッサーなのに138000円という高額なオーディオ機器でした。これについてはYAMAHAのサイトにサラウンドの歴史を紹介するコンテンツがありますのでそちらをご参照ください。

既存のステレオスピーカーに前後4台の専用プロセシング(エフェクト)スピーカーを追加することで、生の演奏を聴いているような臨場感あふれる音場再現を可能としたもので、CDから入力された信号を一度AD変換し、デジタル処理で残響特性を作ってしまおうという製品でした。、非常に画期的で、かつて例がない機器ですので、専用設計されたLSIを必要とし、開発には相当の資金が投入されたはずで、当時の138000円という高額な価格設定でも果たしてペイしたのか怪しいものです。

今回紹介するDSP-100は1988年に発売されたモデルで、機能的にはDSP-1をほぼ世襲しつつ、コストダウンを図ったものです。DSP-100にしてもDSP-1にしても音場創生技術は搭載していましたが、ドルビーサラウンドプロロジック方式のデコーダーは入っておらず、1988 年にDSR-100PROという \69,800の ドルビープロロジック・デコーダー が併売されていました。ただしこの頃はあくまでもオーディオがターゲットで、映画のモードなどはオマケ的なものでした。

その後この技術は各社にも波及し、現在のホームシアターでのDTS-ES Discrete 6.1などの基礎を作りました。

なぜYAMAHAにこういった音場創生技術が芽生えたかというと、元々YAMAHAが世界最大の楽器メーカーであり、その一連としてコンサートホールなどの設計も手がけていることが大きな要因でした。DSP-1発売当時でも日本国内だけで82箇所のコンサートホールを設計した実績があったそうです。

また当時エレクトーンなどの今で言う電子ピアノの製造開発も活発になっており、それらの製品のために専用のオリジナルLSIを製造開発できる自社設備を当時保有していたことも他社に真似できない要因でした。

他社製で似た製品としては SONYのSDP-777ESやSDP-505ESがあります。



フロント/リア/スルー/モノ/低音(200Hz以下)出力がある。
スーパーウーハー用の200Hz以下の出力は、デジタル処理されたものではなく、アナログ的にローパスフィルターを通過させて処理したものである。

正しい使用方法は、従来の2chのスピーカーに、サラウンド用の4chのスピーカーを加えて6ch再生とするものですが、簡易的にフロント側の音源をミックスさせて4ch再生でも効果が出るようにも出来ました。(リヤパネルのスイッチで設定;あくまでも単に音源をミックスするだけでDSP処理は4chも6chも同じ処理のようである)


ドルビーサラウンド/ホール1,2,3/チャーチ/チェンバー/ロック/ジャズ・クラブ1,2/ディスコ/ムービー1,2のセットがあらかじめ登録してあり、本体やや右側のボタンで選択可能。このためにYAMAHAは実際に各地の著名やホールなどで残響特性などの測定を行い、データーを収集した。あらかじめプリセットされた上記の設定のほかに、ユーザーが12セットの設定を作成し、保存できるが、その操作にはリモコンが必要。

A/D感度切換え、エフェクト/バランス調整、テスト信号、テープ入出力などもあるが、説明書と専用リモコンなしでは本来の性能は生かしきれないだろう。残念ながらリモコンは手に入らなかった。説明書は英語版が入手できた。



ビデオ入力と出力もある。
これを使用すると設定内容がモニター画面にインポーズされるらしい。


底面


脚は貧弱である


天板も貧弱
49800のCDプレーヤーのようである。


しかしこれだけのパーツが必要となっているので外装にそれほどコストは裂けないだろう


フラッシュなしの撮影


トランス


ボリュームはモーター駆動
ボリューム自体は、質が低いものが使用されている。
プリアンプの代わりとしても利用できるが、これをみるとちょっとクオリティー的にキツイという印象を持つ。 このボリュームはメインのスルーの出力にも効く、またDSP処理された間接音に対してはDAコンバーターの後に入ることになる。


AD変換部のはず
バーブラウンのPCM54HP(16ビットモノラルDAコンバーターが使用されている。
右下のDG201ACJはQuad SPST CMOS Analog Switches

AD変換も前にバファーがあり、0/+10dBのどちらでも動作できる。またDAコンバーターの後、+6dBのバッファーの前にアテネーターがあり、0/-10dBのどちらかで動作をする。これらを組み合わせて、AD変換の感度を調節しているようである。(リヤパネルにスイッチがある。)


この写真下側に見えるYM3901CとYM3020で16ビット48kHzのADコンバーターを構成している。ともにYAMAHAのオリジナルチップである。実際の動作は16ビット44.1kでAD変換している。


DA変換部
オレンジ色のものは調節用の可変抵抗


こちらにはバーブラウンのPCM56Pが2つ使用されている。
KENWOODのDP-1100SGにも使用されているコンバーターで残念ながら選別品であるKランクものではない。 左右独立動作ではなく、それぞれフロント側出力、リヤ側出力を変換している。


ドルビーと書いてある回路
LM1112CNというICは、いわゆるドルビーICです。
これはリヤ側の出力のみに作用するようです。

 


サンヨー製LC3516
2048 WORDS x8 BITS CMOS STATIC RAM
その下のD71055CはParallel Interface Unit
ちなみに写真に写っている電池が切れると まったく動作しなくなる仕様らしい



東芝製のTC51832PL-10は、256Kビットのハイスピード動作の32,768WERD X 8-BIT CMOS PSEUDO STATIC RAMで
その下に見えるYM3413(2CH-DSPコントローラー)と組んで動作している。下側がフロント用で、上側がリヤ用のようである。
白いシールが貼ってあるのがNEC製D27C256で256 Kilobit (32,768 x 8-Bit) CMOS EPROMで、ユーザーの設定情報を保管しているのだろう。


HD6303Rというのは 日立製の8ビットのCMOS MPU
その下のXD230AOというのはオリジナルチップなので詳細不明だが、DSPを書いてあるので HD6303Rと組んでその辺の演算をしているのだろうか?ブロック表を見ると、YM3413とリモコンコントローラーの橋渡しをしているようだ。


電源部
エルナーとルビコンのコンデンサーが使用されている。


出力段

最大で7chの出力(ノーマル2ch+サラウンド4ch+スーパーウーハー1ch)なので賑やかである。
オペアンプを使用せず、デュークスリート構成されている。メインアウトとモノアウトは0dBのバッファーであるが、サラウンド用のフロントoutとリヤoutは+6dBのバッファーに通される。

さて動作確認であるが、私自身 ホームシアターには興味がないし、4chやら6chのアンプも持っていない。
2chアンプ×3で6chは出来るが、ボリュームの操作が面倒だ。

購入価格が1000円(ハードオフ)なので、壊れていても中が見れただけで私としては満足〜?


動作確認してみました。
SPケーブルなどは長いものを所持していないので、セッティングには四苦八苦。リスニングポジションに機器が鎮座するという応急的な接続になりました。


リヤ用スピーカーは SS-A5
全然音の統一性がないじゃん!!!と突っ込みどころ満載ですが、ご容赦ください。


嫁に手伝わせてセッティング。
まずはクラシック大編成;ブラームスのドイツレクイエムです。
元々大きなホールでの録音ですから、残響音はかなり入っています。
DSPをかけると・・・・・なんじゃこれ?
音がぼやけて、声楽もモヤモヤして良くありません。まったく駄目。

では ピアノソナタ
ベートーベン ピアノソナタ 熱情
少し録音が古いCDで試してみました。
あまりホールトーンは入っていませんので、効果的かと思いましたが・・・・が これもあまり・・・・意味ないなあ
あまり効果を感じません。ただ音がぼけるだけ

じゃ薬師丸ひろ子
ん〜〜〜〜〜これは まあOK これもアリかな・・・・と感じました。
大きなコンサートホールだとこんな感じで聞こえますね
ただ音が良くなるわけもなく、舞台最前列から、ホールの後部出口付近に移動したような感じです。
ただ嫁は お〜〜〜〜と喜んでいる。

ここで嫁が ゴスペラーズのCDを持参
私にゃ よくわからんが 嫁の趣味です。
これも いい!!!らしい・・・・
私にゃ よくわからんが(笑)
ここで嫁に主導権を横取りされます。
しばらくCDを数枚聴いて、ああ 面白かった・・・・と嫁は去ってきました。

こりゃ やっぱりピュアオーディオとは全然別の世界の製品です。
ホールトーンの付加によって、雰囲気とかいうのは増すのですが、微妙な残響を楽しむというより、盛大なエコー効果を楽しむ製品ですね。元々入っている残響音にさらにディレイがかかって、ワンワン響きます。当然音の表情とか細かい解像度は がた落ちです。

元の2CHのソースも、2本のマイクで録音されたものではなくて、4本から10本程度のマイク(クラシックの場合)で録音したものをミックスして2CHにまとめられています。ですのでそれにさらにエコー効果を付加しても〜〜〜〜〜と思います。

4CHなら4CH用に、6CHなら6CH用に、最初から用意された音源を使用しないと駄目かな〜〜〜と思います。

でも まあ1000円で 良い遊びが出来ました。


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